【ミミズ飼育】観察可能な飼育箱を考える③
こんにちは、ミミラボ助手Aです。
ミミラボ第6回のテーマは前回に引き続きこちら、「観察可能な飼育箱を考える③」です。
前回の「観察可能な飼育箱を考える②」では、引き出し型の飼育箱の課題を解決するため、引き出しを横に使うのではなく縦に使って改良を行いました。
結果として、ゴミ投下時の表面積が減ったことから処理スピードが落ち、コバエの発生があったため、今回は更なる改良を加えていきます。
先にお伝えしておきますと、このブログは「ミミズって気持ち悪い…」という(おそらく)大多数の方の気持ちに100%同意しつつ、ミミズを知っていくことで「あれ?結構かわいいかも?」と思ってもらうことを目的としておりますので、基本的にはイラストを載せていきます。突然ミミズの写真がドーン!と出てくるようなことはございませんのご安心ください。
目次
飼育箱バージョン1.2の設計
横置きから縦置きにすることで、地表面の面積が大きく減ってしまったバージョン1.1。
結果としてミミズのゴミ処理能力が低下したため、今回はミミズがゴミに触れる面積を増やす改良をしていきたいと思います。といっても、縦置きの状態は変えないため、ゴミの置き場所を工夫してみたいと思います。
目指すバージョン1.2の設計はこんな感じです↓
よし、設計が決まったらさっそく材料を買いにいこう。
まず用意するのは
・100円均一などで売っている工作用のプラ板
以上!100円!安いぞ!
用意が出来たら、プラバンを切って下記のように加工します。
サイズ感としてはミミズ箱の高さよりも上下共に2センチほど削った高さにし、横の長さは「C」の字に曲げた時しっかりとゴミをためるスペースとなるくらいにするとよいかと思います。
そして、後はプラバンの元に戻ろうとする反発力(しなり)を使用して、箱の中で突っ張らせます。
プラ版とアクリルの間に隙間ができるとミミズがはまりそうなので、アクリルケースに軽く霧吹きをし、プラ板をスライドしていくと表面張力でぴったりと設置できました。
後はこの「D」の字になったところに生ゴミを、それ以外のところに土とミミズを入れるだけです。
いざ、飼育箱バージョン1.2運用開始
運用開始から3日、「D」の字ゾーンにはたくさんのミミズが集まってきました。
逆に、ただの土ゾーンには全然ミミズがとどまっていないようにもみえます。今回のバージョンアップに際し、土の半分くらいを入れ替えたことで環境が変わってしまったのが原因かもしれません。
ちなみに入れ替えるために使った土は、家の横に掘った穴から採取したものです。飼育箱から取り出した土はほぼミミズ堆肥を多く含むものだったのでありがたく頂戴しました。
#初採取となるミミズ堆肥については、また別の回で記事としてまとめられればと思います。
4日目から、徐々に土側への移動も確認できたのと、ゴミエリアがとても人気であることが分かったのと、コバエの発生も見受けられませんでした。
ということで…今まで茶ガラメインしかあげてこなかった我が家のミミズたちに、ついに「生ゴミ100%の生ゴミ(意味不明)」をあげてみることにしました。
バージョン1.2飼育箱の経過
「D」ゾーンの設置、そして生ゴミ100%の生ゴミ投下から約2週間が経過しました。経過としては下記の通りです。
- ミミズの脱走
ミミズの脱走は見受けられませんでした。縦置きにしたことで垂直に上る距離が延び、かつ助手の就寝中以外で壁を登る際はいやおうなしに光にさらされることが原因かと思います。
バージョン1.1の際にもありましたが、アクリルを垂直に登るのはそこそこ大変なようで、上る際は箱の角を利用し体との接地面積を増やして登っているようです。
今回の箱では、「D」の字に設置したプラ板とアクリルケースの間にイイ感じの隙間があり、脱走しやすいルートが出来てはいます。
しかしながら、ココを登ったとしてもプラバンはアクリルケースよりも低い高さにしているので、道が途絶えるためここまでこれでも脱走はできません。
ということで、なかなかイイ感いです。
- 繁殖
新しい卵は引き続き見かけません。最近、飼育箱バージョンアップのため結構頻繁に土をいじくり返してしまったのでストレス過多かもしれません。ごめんよ…。
- 虫の発生
ゴミが増えたことで、まず圧倒的に増えたのがダニと線虫(センチュウ)…。
ゴミの山を覆いつくすようなダニ(おそらくササラダニ)と、茶ガラから生ゴミに切り替えたことでなんだかデカくなった気がするセンチュウさん…。
飛び跳ねて箱の外に出てきたりしたらイヤ…と思っていたのですが引き続き、この子たちは積極的に外に出てくる様子はありません。
生ゴミの分解のために必要な存在とはわかっていても、でもやっぱり気持ちは悪いし、恐らくミミズコンポストに興味を持ってくれている人でもこの光景を見たら挫折しちゃうよなぁ…と思いました。
- エサやり
「D」の字がある側のサランラップを開け、ぽいとゴミを入れるだけなのでらくちん。
そして「D」の字ではないほうはダニもいないので少しラップを開けておいても大丈夫そう。空気がこもると匂いが発生するので、ラップを開けないまでもこちら側のラップに多めに穴をあけておいても良さそうです。
- 匂いと腐敗
いやぁ…完全に調子乗りましたね。すごい勢いで「D]の字ゴミゾーンのゴミにミミズが集まってくれて、すごいたくさん食べてくれるものだから、調子に乗ってまだ前のゴミが分解されきっていないところにさらにゴミを投下してしまいました。
結果、中の方のゴミが腐ってるのか、排水溝にゴミをずっと放置してたときのような異臭が…。
縦長の穴構造にすることで、ミミズは匂いはあまり気にせず普通に食べてくれてはいるのですが、このくっさいゴミをミミズが食べる→堆肥になる→家庭菜園に撒く→野菜として私がいつか食べる と思ったら、ちとな…( ˘ω˘ )うん…いやかな、と思いました。笑
更なる改良に向けて
今回も完全な形にはできませんでしたが、とりあえず構造としてはバージョン1.2で問題なさそうなので、引き続きこの構造は維持してみようと思います。
主な課題は適切なゴミの投下量と投下するごみの種類であると思われるので、次回以降はその点について実験をして記事をまとめたいと思います。
(ちなみに、匂いを発していたゴミは、ミミズ飼育箱に入りきらなかった生ゴミを埋めている家の横の穴にそっと埋めました。今は再び茶ガラと少量の生ゴミで様子見中です。)
#本ブログではミミズが写っている写真はアップしていませんが、もし御姿を拝みたい方や、観察箱の実際の写真を見てみたい方などいらっしゃいましたら、Twitterの方にほぼ毎日観察写真や動画をアップしていますのでこちらをご覧ください。